カテゴリ:旅の思い出( 2 )

旅行記

過去に書いていたブログは消去しましたが
その間の旅行記は消去してしまうのが惜しくて
実はひそかに旅行記だけお引っ越ししていました。

過去に書いていた記事を再編集しただけのものですが、
もしご興味があれば・・・


旅行記
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by nomadmurasaki | 2011-06-19 19:56 | 旅の思い出

欧羅巴のかほり

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ウィーンについた私
ホテルで荷ほどきもせずに
閉館が迫る美術史美術館へと足を運んだ

「あと3,40分だよ」とチケット売りのおじさんに言われて
しばし逡巡

でも、後で来る時間もないだろうと
取り合えず中に入る

そこには写真で見ていたヨーロッパ的、
装飾に埋め尽くされた世界が静かに横たわっていた

ヨーロッパの美術館に足を踏み入れるたびに、いつも思うのが、
そこだけ時間が止まっているかのような静寂
室内は日本的な侘び寂とは打って変わって
これでもか、と言わんばかりのゴテゴテ趣味だというのに
時の流れを経たものならではの
落ち着きをはらんで、静寂を湛えている

そんな静かな館内とは裏腹に
私は早足で見て回った
どうやら有名どころは私と行き違いだったらしい
それでも、あるべきところにある絵と言うのは違うものだ
もう、何年も前に見たブリューゲルの絵に再開することができた

イタリアルネッサンスのポスト・ダ・ヴィンチと言われるルイーニの部屋にいたときだった
わたしはふと、懐かしさを覚えた

古い木と布が漂わせる、少しすえたような香り
ヨーロッパにしかない香りだな、と思ったのもつかの間
私は確かにこの香りを知っていることに気がついた

それは、中学と高校を過ごした
札幌の学校の香りだった

さほど古いわけではないが
カトリックの学校特有の聖堂
重たいカーテン
そして木の枠
それらが長い年月を経ることである種の香りを湛えることになる

卒業して長いこと経つというのに
遥かに離れた場所で
再びそこを思い出すとは思いもよらなかった

それは何も、うちの学校だけにとどまらないのかもしれないし
ただ単に、人のにおいということも考えられるけれど
私は欧羅巴の香りと考える方が、好きだと思う

世界的な美術館で一番印象的だったのは
ブリューゲルでも、ラファエロでもなく、
その香りだった、という
ささやかな、思い出話
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by nomadmurasaki | 2009-12-06 10:07 | 旅の思い出