金沢*古都の旅⑤
東尋坊から、人っ子ひとりいない、遊歩道を南下し、大きな通りに出る
そこから三国港駅まで歩いたが、あいにく電車は発った後
おなかもすいたので、界隈を歩き、もう一つ先の駅まで向かう道中
お昼にありつけるお店を探すことにした
界隈には古い建物が並ぶ
穏やかな晴天
ごくごく普通に休日
おばあちゃんやおじいちゃんが自転車を走らせる中、
一人旅人の私だけ、異空間を漂わせていた
その界隈は出村といって、かつて北前船の寄港地として栄えた三国の茶屋街だったとか
軒先のメニューに惹かれて、一軒の小料理屋に入る
なんとなく朝から、イクラ丼が食べたいと思っていたので、
メニューの中に見出したときは、シンクロニシティを感じてのれんをくぐった
魚志楼という名のその店は、かつては芸者さんたちの置屋だったのだそうだ
有形文化財にも指定されており、
かつての艶やかさをしのばせる写真が飾られていた
同時に、フリージャーナリストさんのアジアでの写真展が催されていた
ショップでインドの手描きのビーズが大量に売られていて
しかもお手頃なお値段だったので、ついつい2袋買ってしまった
それがきっかけで、ジャーナリストさんや、お手伝いに来ていらした地元の方と
いろいろおしゃべりができた
「私、もとは石川県民。家をどこにしようか、福井県をいろいろ尋ね歩いて、この三国にしたのよ」
お手伝いでいらしていた女の人は、そう言った。
確かに、古き面影を残し、観光地化されず、日常がある三国の風景は魅力的である
帰ってからメールでのご連絡をお約束して、お別れ
写真を撮りながら、ふらり、ふらりと歩みを進めた
駅について、再びえちぜん鉄道に乗る
その頃にはいい加減疲れて、ぐったりしてしまった
それでもまだ、一日は終わらない
さらなる寄り道が、残っていたのだ
・・・⑥へ続く
by nomadmurasaki | 2010-04-06 10:55 | 日本のイイトコ